書き終わるまで公開しない予定でしたが、だいぶ考察やらにかかってしまっています。途中経過でも示していった方が良いかと思い、「新しい情報は追記する」形で公開していこうと思います。
今回は「相関係数は男女によって違うのか」というテーマで調べています。
[手順]
1 回答を性別で分けました(男31 女69)。
2 男女それぞれに、各質問( 1)から17)まで)と、年齢段階(小1~3、小4~6、中学、高校)ごとにとられたアンケート結果について、「頻繁にあった」を5、「たまにあった」を4…「覚えていない」を1として、それぞれの項目同士の相関係数を求めました。
3 相関係数が比較的高いもの(>0.7)、逆相関が比較的高いもの(<-0.7)を抽出して、高い順に並べました。
[相関の高さについて]
・相関とは(簡単に言うと)、各質問の内容について「同じように回答した割合」を表しています。
・相関の高さは相関係数という数値で見ていきますが、相関係数の最大値は1.0、最小値は-1.0です。相関係数が0に近づけば「両者は特に関連なし」ですが、1に近づくほど「関係が深い」と言えます。
・例えば、Aという質問に「はい」と答えた人の多くが、Bという質問にも「はい」と答えていれば、相関係数は1に近づいて高くなります。逆に、Aに「はい」と答えた人の多くがBという質問に「いいえ」と答えていれば、相関係数はー1に近づいて低くなります(負の相関と言います)。
[相関係数の高かった質問項目]
それぞれの項目について、相関係数が高い順にリストアップしました。なお、同一質問の年齢違いの相関については、今回は全て省略しています。
男子
No. | 項目1 | 相関係数 | 有意差 |
項目2 | |||
1 | 小1~3 13)指文字を教えてくた | 0.919 | <0.01 |
中学校 15)人との付き合い方を教わった | |||
2 | 中学校 8)聴覚障害について話せる、分かってくれる友達がいた | 0.865 | <0.01 |
中学校 9)サポートしてくれる仲の良い友達がいた | |||
3 | 小~高 コミュニケーション(手話) | 0.861 | <0.01 |
小1~3 14)手話を教えてくれた | |||
4 | 中学校 3)クラスの中で話が分からなかった | 0.823 | <0.01 |
中学校 4)指示が分からず他の人の行動を真似していた | |||
5 | 小1~3 12)ほっとする時間が取れた | 0.812 | <0.01 |
中学校 15)人との付き合い方を教わった | |||
6 | 小4~6 13)指文字を教えてくた | 0.800 | <0.01 |
中学校 15)人との付き合い方を教わった |
女子
No. | 項目1 | 相関係数 | 有意差 |
項目2 | |||
1 | 小1~3 15)人との付き合い方を教わった | 0.783 | <0.01 |
小1~3 16)悩みを解決してくれた | |||
2 | 中学校 3)クラスの中で話が分からなかった | 0.770 | <0.01 |
中学校 4)指示が分からず他の人の行動を真似していた | |||
3 | 小4~6 8)聴覚障害について話せる、分かってくれる友達がいた | 0.766 | <0.01 |
小4~6 9)サポートしてくれる仲の良い友達がいた | |||
4 | 小1~3 8)聴覚障害について話せる、分かってくれる友達がいた | 0.738 | <0.01 |
小1~3 9)サポートしてくれる仲の良い友達がいた | |||
5 | 小4~6 8)聴覚障害について話せる、分かってくれる友達がいた | 0.722 | <0.01 |
小1~3 9)サポートしてくれる仲の良い友達がいた | |||
6 | 小4~6 15)人との付き合い方を教わった | 0.720 | <0.01 |
小1~3 16)悩みを解決してくれた |
[男女を比較して]
・相関係数は男が高めに出ている。
→男女のアンケート総数の違い(31:69)が影響しているように思われます。女子を同数にした場合に同様の傾向が出るかどうかは、検討の余地ありです。
・共通項目は、男No.4と女No.2の「中学校 3)クラスの中で話が分からなかった」と「中学校 4)指示が分からず他の人の行動を真似していた」だけ。その他は男女共通の項目はなし。
→ 中学校時期の男女共通の困難さが見てとれると思います。
・「8)聴覚障害について話せる、分かってくれる友達がいた」と「9)サポートしてくれる仲の良い友達がいた」の相関が高い。特に女子はNo.3~5に3つランクインしている。ただし、男子が中学校で高いのに対し、女子は小学校で高い結果となっている。
※ただし、今回は相関係数のベスト6を示していますが、相関係数の下限が、現在男女で違っています(男0.8 女0.72)。相関係数の下限を0.7程度にしたときに、共通項目がどのくらいあるか、また、男女の傾向がどうなるかは、今後検討していければと考えています。
相関係数が負の数についても同様に相関が強いものを挙げます。
男
No. | 項目1 | 相関係数 | 有意差 |
項目2 | |||
1 | 中学校 13)指文字を教えてくた | -0.945 | <0.01 |
小1~3 17)難聴学級に友達がいた | |||
2 | 小1~3 6)生徒同士の話し合いに参加できた | -0.854 | <0.01 |
中学校 13)指文字を教えてくた | |||
3 | 小4~6 6)生徒同士の話し合いに参加できた | -0.829 | <0.01 |
中学校 13)指文字を教えてくた | |||
4 | 小1~3 10)障害を理由にいじめられた/いじめの危険を 感じたことがあった |
-0.807 | <0.01 |
中学校 16)悩みを解決してくれた |
女
No. | 項目1 | 相関係数 | 有意差 |
項目2 | |||
1 | 高校 7)分からないときに「分からない」と言える環境が あった |
-0.813 | <0.01 |
中学校 12)ほっとする時間が取れた |
※こちらも、相関係数が-0.8以下のものとしましたが、-0.6 ~ -0.5程度まで引き上げた場合の出方を比較しても良いのかも知れません。検討課題としています。
(ver.Dec02-2018)
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